ハローワークのインターネット求人は、一般の求人誌やインターネット求人とは異なり、完全無料で掲載・採用できることが大きな魅力です。
しかし一方で、中小企業の求人の割合が高く、大手企業を目指すようなハイクラスの応募が集まりにくいという特徴もあります。
そのため、有料の求人媒体とハローワークの求人をうまく使い分けたいとお考えの企業様も多いことでしょう。そこで今回は、2015年のハローワークと他媒体の求人をさまざまな視点から比較してみたいと思います。
【調査対象】
媒体:anエリア、エン転職、エン派遣、求人ジャーナルネット、ジョブセンスリンク、type、タウンワーク、バイトル、はたらこねっと、ハローワーク、フロムエー、マイナビ転職、リクナビNEXT
期間:2015年1月〜2016年2月
全求人掲載件数の推移
他の求人媒体と比較すると、ハローワークの求人数は圧倒的に多いことがわかります。
年間を通して50万件を超えており、他媒体を大きく上回っています。これはやはり、掲載・採用が無料であることが大きな要因でしょう。
ハローワーク求人には、大手企業の求人はもちろん、地元の中小企業や個人経営の飲食店・小売店など、インターネットや紙媒体の求人ではなかなかお目にかからないような求人がたくさん掲載されています。
2015年の求人掲載件数はどの媒体も増加傾向にありました。
しかしハローワークの求人で特徴的なのは、掲載件数の増減が激しいことです。
これは、ハローワークの掲載終了日が月末に設けられていることが原因です。ハローワークの求人は、掲載日の翌々月末になると自動的に掲載が終了されます。
そのため、年間を通して毎月上旬は求人掲載数が少なくなっており、どの月も掲載数がピークになる月末と比較すると10万件ほどの差が出ていることがわかります。掲載件数が少ないうちは狙い目ですから、ハローワークに求人を出す場合はできるだけ月の頭に申し込むのがベストだと言えます。
ハローワークと正社員媒体の年俸内訳
次に、媒体ごとの正社員の年俸に焦点を当てて、グラフにしてみました。
これを見てみるとハローワークの平均年俸は340万円と他の媒体に比べて、低い結果となっています。
ハローワークは他の求人媒体より大企業の比率が低いため、平均年俸も押し下げられていると考えられます。一方、typeが最も高く、428万円と、約88万円の差がありました。募集賃金が比較的高いIT求人に強い媒体ということもあり、平均が引き上げられているようです。
全求人の職種別の求人掲載件数
全媒体の職種別の求人ポイントを見てみると、「医療/医薬/福祉」、「営業/事務/企画/管理」、「製造/工場/化学/食品」、「販売/接客/サービス」、「運輸/物流/配送/警備/作業/調査」などの職種はどの媒体でも多めとなっています。これらの職種は2016年も引き続き採用競争が激しくなると考えて良いでしょう。
また、求人ポイントが多い職種のうち特にハローワークへの依存度が高いのが「医療/医薬/福祉」と「製造/工場/化学/食品」の2職種です。
この2つに共通して言えることは、街の小さなクリニックや介護施設、町工場など、事業所の規模が小さく採用活動になかなか大きな予算をかけられていないにも関わらず、採用に苦戦しているということです。
特に、医療・福祉分野では、ハローワークだけで12〜13万ポイントもの求人が掲載されており、深刻な人材不足であることが伺えます。毎回求人費をかけることができない小さな病院や施設も多いので、ハローワークで常に募集をかけているという施設も少なくないのでしょう。
まとめ
ハローワークと他媒体の求人を色々な視点で比較してみましたが、いかがでしたでしょうか。
有料の求人媒体とは異なる部分がたくさんあり、一概にどちらが良いということはできません。採用したい人材の特徴や地域や時期によって変わってきます。
ハローワークと他媒体それぞれの特徴を理解した上で、うまく組み合わせて使っていくのが良いでしょう。
季節の求人動向を分析するなら3Chart
本コンテンツのデータは、人材ビジネス/事業会社の採用担当者向けの求人マーケット分析サービス「3Chart」によって、作成されています。
競合媒体の出稿動向や募集金額の推移など、その他さまざまな分析軸で分析するならいますぐ無料で、お使いいただけるフリープランをお試しください!詳細は下記バナーからご覧ください。