近年、求人広告や人材紹介を使って求職者の応募を待つ「受け身」の採用に加えて、企業が自ら人材にアプローチする「ダイレクトリクルーティング」という「攻め」の採用手法が話題になっています。
ダイレクトリクルーティングは、企業が求めている人材に対してピンポイントでアプローチできることや、仲介の業者を通さないため、採用がスムーズに進むなど、従来の採用手法にはないメリットがあります。
日本ではまだ普及に時間がかかっている状態ですが、海外ではLinkedInが公開された2003年以降から、徐々に定着してきた一般的な採用手法と言えます。
そこで今回は、ダイレクトリクルーティングで先を行く、海外のダイレクトリクルーティングサービスをまとめてみました!
【アメリカ】Glid
データサイエンスや予測分析の技術を用いて、Web上から集積した1億件もの人材データベースから適した人材を探すことができます。ビッグデータを利用して転職の時期を予測することで、企業側のアプローチが無駄にならないタイミングも教えてくれます。
また、候補者のFacebookのタイムラインなどを採用チームのメンバーに閲覧してもらい、企業風土に合いそうかどうかなどを星1〜4で評価してもらうこともできます。
ビデオインタビューのサービスも提供しているので、実際に会って採用活動をするよりもコストを削減できます。
【アメリカ】TalentBin
LinkedInやTwitterなどを含む100以上のSNSの情報を集積し、その中から適した人材を検索できるサービスを提供しています。
各ユーザーが登録しているメールアドレスや複数のSNSのダイレクトメッセージから、連絡の取りやすそうな手段を選べるという特徴があります。
SNSのデータ集計によって、その人材にどんな専門知識があるのか、どんなことに興味があるのか等を知ることができます。連絡をとった求職者や、気になる求職者を一覧にすることもできます。また、採用チーム内でデータを共有し、複数人で採用活動をすることも可能です。現在はMonster社の傘下にあります。
【アメリカ】Entelo
マイクロソフト社やFacebook社など有名企業も利用している2011年創設の人材検索サイトです。
スキルや居住地、職歴、学歴などのキーワードで、2億7,500万人の候補者プロフィールの中から適した人材を検索することができます。
このデータは、主にFacebookやTwitterなどのSNSを含めた50以上のWebサイトの情報を集積したものです。また、独自のアルゴリズムによって、その人材が転職しそうな時期を予測することもできるのが強みです。
【アメリカ】Monster Power Resume Search
有名ジョブサイトMonsterでは、6センス・セマンティック検索技術によって、企業側が求職者の履歴書を検索して連絡をとることが可能です。
Monsterのメインサービスは求人検索機能であり、多くの求職者が登録していますが、その独自データベースを活かし、登録している求職者の履歴書の中から募集の条件に合っている人材に対して企業側が直接アプローチできるのが魅力です。
求職者側は、自分の履歴書にどれだけの企業がアクセスしたのか確認することもできます。
【アメリカ】Scavado
キーワード検索で欲しい人材を検索することができるサイトです。
検索履歴やお気に入り追加機能により、連絡を取りたいと思っている候補者のリストを簡単に作成することができます。SNSなどのWebサイトから情報を集積して検索してくるので、LinkedInなどの個々のSNSを一つ一つ検索する手間が省けます。ユーザーが各サイトに登録している電話番号やメールアドレスを通じて、直接連絡をとることができます。
【ドイツ】Talentwunder
IBM社やAmazon社なども利用する人材検索サービスです。
複数のSNSサイトを集積し、10億件ものプロフィールの中から適した人材を検索することができます。
サイトの上部には「最高の人材は自分から企業を探したりはしません。見つけてもらうことを待っているのです」と書いてあります。「人材競争の時代に入った今、待っていても良い人材はやってこない、だからこそ企業側からアプローチしましょう」というのが、このサイトのポリシーのようです。
いかがでしたでしょうか?
日本の転職市場も流動的になりつつある今日、ダイレクトリクルーティングは企業にとって最適な人材を確保するための有力な手法になっていくことでしょう。
HRogでも引き続き、国内・国外ともにダイレクトリクルーティングに注目していきます。