金融、財政、構造改革に関する施策を通じて日本経済を再生させる努力を3年にわたって続けながら、アベノミクスはいまだに日本人を長期にわたるデフレマインドから脱却させることに成功していない。これはなぜだろうか。
その理由の一つは、経済成長の重要な推進力である個人消費がいまだに伸び悩み、消費者マインドが低迷していることである。消費者マインド低迷の理由は何だろうか。最も重要な要素を指摘するとすれば、筆者は雇用システムにあると考える。
低い生産性と高コストな年功序列型労働システムを抱えるなか、政府の旗振りにもかかわらず、企業は大幅な賃上げや正社員雇用へ