企業倒産の低水準な推移が続くなかで、中小企業を中心に人手不足は解消されていない。
人手が不足している企業のなかには、就業環境の悪化等から離職を招いて正社員の定着率が低くなり、さらに人手不足が深刻化するという悪循環に陥っているケースもみられるという。
東京商工リサーチでは、これまでも「人手不足」関連倒産を集計してきたが、主に代表者死亡や入院などによる「後継者難」型が中心だった。だが、人手不足感が解消されないなかで「求人難」型、「人件費高騰」関連など推移が注目されている。
2016年8月の「人手不足」関連倒産は24件(前年同月23件)。内訳は、代表者死亡や入院などによる「後継者難」型が21件、「従業員退職」型が3件、「求人難」型が発生なしだった。
2016年1-8月の「人手不足」関連倒産は200件(前年同期比3.8%減、前年同期208件)。内訳は、代表者死亡などによる「後継者難」型が177件(前年同期187件)、「求人難」型が10件(同16件)、「従業員退職」型が13件(同5件)だった。
また、人件費高騰による負担増から資金繰りが悪化したなどの、2016年1-8月の「人件費高騰」関連倒産は18件(前年同期18件)だった。
人手不足関連倒産