「STEM教育」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。STEMとは、「Science」(科学)、「Technology」(技術)、「Engineering 」(工学)、「Mathematics」(数学)の頭文字を取った造語で、これらを統合的に学ぶ機会を子どもたちに提供することで、次世代を担う人材に育てようという教育方針です。
STEM教育の発祥の地であるアメリカでは、理工系の知識に長けたSTEM人材を育成することは、重要な国家戦略のひとつに位置付けられています。
すでにアメリカでは、STEM教育予算に年間約30億ドルを投入し、2020 年までに初等中等教育の優れたSTEM分野の教師を10万人養成。2012年からの10年間でSTEM分野の大学卒業生を100万人増加させるなど、具体的な数値目標を掲げて取り組んでいます。このことからも本気度が伝わってきます。
むろん、STEM教育に熱心なのは、アメリカだけではありません。ヨーロッパの先進国やインドやシンガポールなど「技術立国」を目指すアジアの新興諸国では、幼少期から基礎的な電子工学やプログラミング技術に親しむ機会を作り、国を挙げてSTEM人材の育成に向けた取り組みを着々と進めています。