安倍晋三首相が打ち出した「同一労働同一賃金」の実現が経済界と労働界に波紋を呼んでいる。首相が最初に発言をしたのは、1月22日の施政方針演説だった。一億総活躍社会を実現するには非正規労働者の処遇を改善し、能力を十分に発揮することが重要であるとの観点から、白羽の矢が当たったのが同一労働同一賃金だった。同一労働同一賃金とは、職務や仕事の内容が同じである労働者に対し、同じ賃金を支払うべきとする考え方だ。だが、一口に同一労働同一賃金といっても、そもそも誰と誰を比べて同じにしなければいけないのかという議論がある。歴史的には差別防止の観点から性別、国籍、人種の違いによる賃金の差別的取扱いを禁止してきた。日本
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